──「うちだけじゃない」が支える、親たちの場外戦
スイミングの選手コースは、週5回6回は当たり前。更に時間はジュニアクラスの子が泳いでいない時間帯です。その結果、平日は遅い時間、土日は早朝になります。たとえ家が近くて、小学校高学年でも送迎したい時間帯です。こんな変な時間帯でも、少人数で快適なプールで一生懸命練習をするのだから仕方なしです。そんな選手コースに通い出すと、生活の中心は完全にプールになります。
毎日決まった時間に車を出し、いつものルートを走り、いつもの駐車場に停める。 車の中には、少しでもいい状態で食べられるように保温、保冷した子どものお弁当。今日も2時間、駐車場とプールのギャラリーで子どもを待つのです。「私は一体、どれだけの時間ここで過ごしているんだろう?私の夕飯は今日も21時か…」と、正気に戻りそうになる瞬間があります。
でも、そんな時、隣の車に目を向けると、そこにはいつものお父さん、お母さんの姿が。 そこで気づくのです。**「あ、感覚がマヒしているのは私だけじゃないんだ」**と。
「マヒ」は、頑張っている証拠
「感覚がマヒ」だなんて、言ってすみません。でも筆者自身もそうだからこそ、愛情をこめてそう言います。感覚がマヒしている「送迎ガチ勢」になると、金銭感覚や時間感覚が少しずつズレてきます。
これ、外から見れば異常かもしれませんが、中に入っている私たちにとっては**「心地よいマヒ」**だったりします。なぜなら、そこには同じ熱量で子どもを支える「仲間」がいるからです。
孤独を救う「ガチ勢コミュニティ」
ガチ勢の周りには、不思議とガチ勢が集まります。 プールの観客席や駐車場で交わされる、「今日もお疲れ様です」という何気ない挨拶。
「今日はタイムが伸びなくて落ち込んでて……」 「うちも先週そうでしたよ、今は耐え時ですよね」
そんな会話に、どれだけ救われることか。 子どもが「学校以外の居場所」で救われているように、実は私たち親も、**「送迎ガチ勢というコミュニティ」**に救われているのかもしれません。
「わが家だけじゃない」と思えるから、明日もまたハンドルを握れる。 このマヒした感覚こそが、子どもの夢を支える「親の底力」そのものなのだと思います。
【追記】
もし、あなたがプールの駐車場で、一点を見つめてボーッとしている親御さんを見かけたとしたら。 その人は疲れているのではありません。**「送迎の向こう側」**に到達し、マヒを楽しんでいる同志です。
スイミング育成コース、選手コースを目指させたいと考える保護者の方は、自分が送迎ガチ勢になる覚悟があるか、も大切な判断材料です。
