キッズ向けスイミングスクールにある特別クラス。ワンランク上を目指す「育成クラス」「選手クラス」。言い方は様々ですが、泳力、技術を向上させ、大会に出場し、ベストタイム更新を目指すクラスです。
この「育成クラス」は誰もが進むことができる道ではありません。多くのスイミングスクールでは、コーチの推薦が必要です。では、どんな子が推薦を受けられるのでしょうか。
何歳からスカウトが始まる?
筆者の子どもは全国に多くの教室を抱えるスイミングスクールの育成クラスに通っています。わが子は2人目の子がスカウトを受けました。1人目はスクールの考える基準には達していないようで、(せっかくなので聞いてみましたが)丁重にお断りされました。(それでも1人目も小学校の同じ学年の子の中では、一番水泳が得意らしいです)
2人目がスカウトを受けたのは2度、1度目が年中さん。2度目が年長さんの夏です。1度目はわが子の様子から難しいと判断し、お断りしました。半年後に、2度目のスカウトを頂き、育成クラスに移籍を決めました。
育成クラスにスカウトされたのは、年中さん、年長さんです。毎年1,2回一斉に該当する子に声を掛けています。残念ながらわが子の通うスイミングスクールでは小学1年生以降のスカウトはほぼないと思います。
スカウトの基準って?
あくまで筆者の子どもが通うスイミングスクールでは、と言う前提ですが、スカウトを受けたわが子と同じ育成クラスに通うお友達を見ていると共通点があります。
必要な泳力
育成クラスの練習を重ねる事で、小学校1年生に進学するタイミングで「きれいな」4泳法をマスターできそうな子をスカウトしているようです。「きれいな」とあえて表現しているのは、フォームがきれいでないと長い距離を泳ぐことができない為です。それぞれの泳法を3~4か月程度でマスターできるようなスピード感でしょうか。おおむね年中さんであれば、水慣れが終わり、クロールを練習中。年長さんであれば夏頃には、背泳ぎを練習している位でないと厳しいです。
ちなみにわが子は、年長さんの夏に移籍し、卒園時でバタフライができるようになりました。幼稚園の間に4泳法マスターするなんてと驚きましたが、わが子よりも早く育成クラスへ移籍している子は年長さんで個人メドレーの練習をしていたので、育成クラスなら入学前に4泳法できて当たり前と言う印象です。
性格も重要?!
育成クラスに所属している子を見ていると、女の子は負けず嫌いで、気の強い子が多いです。男の子はひょうひょうとしている感じ。どちらにせよできないと「もういいや、どうせできないし」と諦めてしまう子はいません。できなくてもできるまでコツコツと頑張る女の子と、できなくてもクヨクヨせずに練習を続けられて、気づけばできている男の子が多いです。
競争心、他の子には負けたくないと言う気持ちはある子とない子に分かれます。泳げても幼稚園生ですからね。それよりも諦めない気持ちが大切な気がします。
兄弟構成
ここは必須ではないですが、兄弟の2番目、3番目の子の多いこと。もちろん兄弟で選手、育成クラスと言う子もいますが、1人目は普通クラスの子だとしても、上の子がいるから小さな頃から水泳を始めた子がとても多いです。環境がモノを言うと言うか…。
親が頑張れるかどうか
スカウト条件とは少しずれますが、育成クラスで頑張る子の親にも共通点(条件)が一つ。
それは、両親が頑張れるかどうかです。育成クラスを続けているご家庭は両親が頑張っています。
育成クラスは送迎や金銭など親の負担も大きいです。育成クラスであれば、幼稚園生なのに週に3日も4日も通わなくてはなりません。スクールが家のそばでも幼稚園生で一人で通える子はそうそういません。週末は試合、大会もあるので、練習は平日がほとんどです。午後~夕方の時間帯に送迎+待機で週に何度も1時間半~2時間と時間を空けなくてはなりません。
また、試合があればそこまでの送迎も必要だったり、水着も競泳用の水着を用意する必要が出てきます。普通に通うよりも費用負担が大きくなります。
この子だけ特別に…と言う事が認められないのが育成クラス。そのため、いざ入ってみたけど、送迎の負担が大きすぎて続けられないと言う人も。そのため、フルタイムで働くママはいません。パートで働くママはいますが、練習の時間帯は空けています。
スカウトの基準に達しない場合は諦めるしかないの?
育成クラスの道を諦めたくないと言う場合、いくつかの方法があります。
スクールを見直す
育成クラスの基準は、スクールによって様々です。ここまでご紹介したのは筆者の子どもが通うスクールの場合です。4泳法を極めた後のコースの一つとして育成クラスを設置していたるスクールもあります。また、系列のスクールでも、教室によって育成クラスにスカウトする基準(基準タイム)が異なります。A教室ではだめだったけど、B教室では受け入れられたと言う子の話も聞いたことがあります。
本気で育成クラスに入れたい!と言うご家庭であれば、ぜひ自動車での送迎も念頭に入れて少し範囲を広げて探してみてください。スクールの多い都内でさえ片道30分、1時間と遠方から通っている人は結構います。
大きくなってからのスカウトを狙う
どのスクールでも4泳法を極めた後は、毎月タイムを計るようなクラスに所属します。そこで泳力を伸ばしてタイムをあげる事。小学生であれば50メートル、100メートルのタイムを伸ばす事です。ただし、未就園児から育成クラスがある場合、小学生になってからそのクラスに合流するにはかなり速いタイムと泳力が必要です。それまで何年もハードな練習を続けてきた子たちに混ざるのは本当に大変だからです。学年が上がれば上がるほど、基準タイムも上がります。たとえ育成クラスでなくても、育成クラスに加入する事を目標に週に4日5日と練習する意気込みが必要だと思います。
育成クラスは習い事ではなくて部活と思うべし
育成クラスはあこがれるけど、小さな頃から週に何日もプールに入るなんてと驚くかもしれません。もはや育成クラスは習い事ではなく、(中学生、高校生の)部活だと思うとスッキリするかもしれません。技術レベルを向上させ、上を目指すにはその位の練習が必要であるという事でしょう。
スイミングスクールに通っていると、一度は気になる育成クラスについてご紹介しました。