産後職場復帰を悩むあなたへ、時間とお金を天秤にかけてみた

 筆者が退職をして一番よかったと思う事は、時間をつくることができたことです。

 子育ては常にあわただしい。専業主婦でもそう思います。仕事をしていたらなおさら。平日は朝起きてから子供を保育園に送るまであわただしく準備して、急かして保育園の門に届ける。仕事して、保育園に迎えに行ってからまたあわただしく夕飯食べさせて、お風呂に入れて、寝かしつけ。気づけば自分も片付け半ばで寝てしまう。

 仕事がしたいのであれば仕事をするためには仕方なしと頑張れると思います。ローンのためなら義務的に頑張る。生活のためでも同じ。でも、そうではない場合はふと立ち止まるでしょう。「私って何のために働いているんだっけ?」って。

 筆者が「私って何のために働いているんだっけ?」と思ったのが、保育園に落ちた時です。必死に次の受け入れ先を探している中で、なんでこんなに必死になっているんだっけ?って我に返りました。保活で見学に行った保育園に落ちて、検討すらしていなかった保育園にも受け入れてもらえるかもしれないって電話。「何のためにこんなに必死になっているんだっけ?そもそもここまでして私は今働かなくてはいけないんだっけ?」と。

 疑問を持つことなく、考えることなく危うく「産休、育休、復帰」のレールに乗るところでした。

 ママスキルも家事スキルも上がっているはずですが、子どもが増える度に忙しさは増します。離乳食の子どもを含めて子どもが3人となったタイミングで、落ち着いて食事を取れることはありません。専業主婦でも夫へお願いしている家事もあります。それでも子どもひとりひとりと向き合う時間は作るように工夫しています。

 働いていたらこの時間は作れなかったと思う。そもそも下の子たちは生まれてこなかったかも。なので、専業主婦を選択してよかったなーと思います。

 一方で、まとまった自分の時間は一番下の子が夜寝てから朝まで起きなくなるまで殆ど持つことができませんでした。現在も子どもたちが寝て、家事が終わってから自分が寝るまでの1時間半が自分の時間です。起きている間は常にまとわりつき、家事すらはかどりません。夕方など子ども3人に取り囲まれ一斉に何かを要求されぐったりすることも。

 そんな時、仕事をしていたら少なくとも通勤中やランチタイムは自分の時間が確保できるのにな…とたまに復帰しなかったことを後悔したりします。

 復帰していたら毎月お給料がありますが、専業主婦はいくら働けど何もお金にはなりません。でも、目に見えないだけで、作り出しているお金や将来への投資はたくさんあると思っています。

 将来への投資と言っているのは、子どもの教育や経験です。なんだかんだ言いながらも小さい頃に経験を積むのは悪いことではないはず。その経験をさせるためには時間が必要です。

 一定の年齢までの子どもへの教育、経験と言う点はどうしても専業主婦に軍配が上がります。だって平日の午後に習い事に連れていくなんて、働いていたら難しいですもん。共働き世帯のために週末にクラスが開設されているスクールもありますが、平日と比べるととても混雑していて、手厚いとは言い難いです。さらに貴重なお休みが習い事に充てられてしまうと、外出する機会も減ります。

 「保育園より幼稚園の方が教育面で優れてると言われるけど今はそんなことない」ってよく言われますが、そもそも保育園自体と幼稚園自体を比べるのはおかしいと思います。保育園も幼稚園も園によって教育方針が異なります。特に幼稚園は私立園が多いので本当にさまざまです。

 しかし、小さいうちからたくさん経験をさせたいと考えている場合、幼稚園に通っている子どもの方が、保育時間が終了した午後に習い事に充てられる時間がたくさんあるので、保育園と比べて有利であるとは言えます。

 また幼稚園は長期休みがあります。保育園のお休みは大人と同じですから、長期休みはありません。なので幼稚園に通う子の方が時間があって遠出もしやすいのでさまざまな経験がしやすい環境にいると言えます。

 ただし、お金を出すのも連れ出すのも親ですから、その経験が得られるかどうかは親次第であることはわすれてはいけません

 復帰もいいですが、子どもが小さな間だけ仕事を休んでみてもいいかなと思いませんか。産後職場復帰をするかどうか悩むあなたへ背中を押すきっかけになりましたら幸いです。