大分前の話ですが、筆者は産後育休を取得し、保育園に落ちて退職しています。当時していた仕事は営業職。世の中ではバリバリに働いている一人だったと思います。職場の女性社員は育休を取得して1歳4月に復帰する人がほとんどでした。そのため、職場へ妊娠の報告をした際に、「仕事を続けるかどうかは、いつ頃相談しようか」と判断をこちらに委ねず、「××年〇月に出産なら、2年後の4月に復帰だね。」と決められたルールのような返答だったことを覚えています。 

 2023年は男性の育休取得も義務化し、育休を取得しやすい環境が整いつつあります。一馬力で所帯を持つこともなかなか難しいし、労働力がどんどんと減ってきている事情もあり、筆者が経験したころ以上に、「復帰」が当たり前の世の中になっていると思います。

 一方で復帰してよかったと言っている女性ばかりではないことも事実。出生数が減り、かつ保育園が増えたことで一時期よりは待機児童は減ったのかもしれませんが、ネットで検索をするとワーママの大変さを切々と語るブログが出てきたり、保育園の痛ましい事故が話題となったり、さらには「学童問題」がさらに激化していたり…。

 また、これは以前から変わりませんが、働き甲斐が減ってしまったとか、いつの間にかマミートラックに乗せられて、キャリアが築けなくなったとか、働きたかった人にとってもこんなはずじゃなかったと言う声も聞こえます。

 何らかの事情でそもそも働かなくてはならない人は、働こうかやめようかと悩むことはありません。そのような人は働くべきだし、そういった事情がある人だけが働いていれば、保育園の待機児童問題が起こったりしなかったのではないかと思います。働きたくない人がなんとなく働く選択をしてしまったり、待機児童にならないようにと早め早めに復帰することで、本来なら保育の必要性がない人も保育園に子供を預けてしまうからよけいに待機児童が増えてしまったのではないかと懸念します。

 近年、小さな子供を預けて復帰することこそが正解だと言う世論です。でも本当にそうでしょうか。復帰はある一面、ある人にとっては正解だと思いますが、全員にとっての正解ではないと筆者は思います。少なくとも筆者にとっては正解ではなかったと、年々強く思うようになりました。

 保育園に預けて復帰する人を悪く言おうとしているのではないです。ただ、老婆心ながら本当は預けて復帰しなくてもいいのに保育園に預けている人、預けようとしている人に伝えたいことがあります。

 こんなはずじゃなかったって言う前に、復帰しなくてよかったと言う話も聞いてみませんか。  

 次に、自分もそうだったのを棚に上げて、筆者が変だなーと感じる保活の真っただ中にいる人たちの考え方について語っていきたいと思います。