現在多くの幼稚園で、未就園児クラスが充実しています。満三歳クラスや二歳児クラスがその一つです。
保育園に入園する人が増えているため、2歳児の家庭保育は少し寂しくなってきています。そんな矢先に近くの幼稚園で満三歳クラスや二歳児クラスの話を聞いたら、是が非でも申し込みたくなるところ。
しかし、その判断正解とは限りません。
満三歳児クラスってなに?
満三歳児クラスとは、年少さんの一つ下の学年のクラスです。4月時点での年齢は2歳。
よくあるプレ幼稚園と異なり、満三歳児クラスに入ることは、入園を指します。よって、入園金がかかります(年少さんに上がるタイミングで追加で入園金はかかりません)
更に制服の購入等も、年少さんから前倒しで必要な場合もあります。
入園のタイミングは
入園のタイミングは幼稚園によって異なります。言葉通り満三歳、誕生日を迎えた翌日より入園可能になる幼稚園や、4月から入園可能な幼稚園、4月と10月など特定の月に3歳に近い月齢の人だけが入園可能など様々です。
満三歳児クラスの月謝は
満三歳になる前から入園可能な場合、誕生日翌月からは保育料無償化の対象となり、月謝がかからなくなりますが、その前までは3万円程度の月謝(一般的な幼稚園)がかかりますのでご注意を。
よって、3歳になる前から入園できる場合、4月生まれなら1か月分の月謝で済みますが、10月生まれなら3万円×7=21万円。3月生まれなら3万円×12=36万円かかります。なかなかなお値段ですね。
という事で、金額面や入園できるタイミングが理由で、早生まれの子にとって満三歳児クラスは不利な面があります。
満三歳児クラスの先生は
ちなみに満三歳児クラスはここ数年で急速に増えています。満三歳児クラスを始めたばかりの幼稚園では、ベテランの先生が満三歳児クラスの担任になることが多く、本来ならベテランの先生が付きやすい年長さんや年少さんにしわ寄せが行きがちなようです。
「満三歳児クラスはよかったのに、年少さんに上がってから幼稚園に不満がある」と言う保護者の声を聞くことも。
満三歳児クラスに入園するならやっておいた方がいい事
満三歳児クラスは、「早く幼稚園に慣れてほしいため」と言う理由で作られたました。いまでは年少さんの半分程度が満三歳児クラスで埋められる幼稚園も。早めに入っていると親子とも年少さんに上がる前にグループができていて、年少さんからだと入りにくい気も。
ともなると、やはり早めに入園させた方がと考えがちですが、入園が絶対ではありません。
早めに幼活を始めましょう
近隣の幼稚園を探すと、おそらく複数の幼稚園で満三歳児クラスを設けていると思います。満三歳児クラスを検討しているならば、ぜひ歩けるようになったらその幼稚園の園庭開放など未就園児活動に参加してください。
特に満三歳児クラスを設けている幼稚園ならば、0歳から参加可能な未就園児活動を行っている幼稚園もあります。早いうちから通って、損はないです。
前述の通り、満三歳児クラス入園は幼稚園に入園です。もし思っていたのと違うからと、年少さんから別の幼稚園に通う場合、2つの幼稚園に入園金を支払わなくてはなりません。行政で入園金の補助があるところも多いですが、一人につき1回のみですから、大きな負担ですよ。
子どもが困らないように準備が必要
お子さんは一人で何ができますか。受け答えはできますか、トイレには行けますか。たとえ大丈夫ですよと幼稚園が言っていても、おむつが外れていなかったり、一人でご飯が食べられない状態で入園してしまうと、一番つらいのは子ども自身です。
満三歳児クラスに入園を考えるならば、完ぺきではなくても、トイレトレーニングと食事の練習は済ませてから望みたいところです。
満三歳児クラスに入園をお勧めする場合
明らかに入園したほうが良いと思うのは2つです。
4月、5月、6月生まれで成長が早い子
保育料無償化になるタイミングも早いですし、入園しても安心な子が多いと思います。幼稚園でのたくさんの経験がさらにその子を成長させてくれます。
在園児のいる下の子
同じ幼稚園に通う上の子がいる子は、小さな頃からその幼稚園に慣れています。上の子が通う幼稚園にあこがれもあるかもしれません!更に下の子は小さな頃から上の子と言うお手本を見ているからか、第一子よりも成長が早い子が多いです。月齢にもよりますが、恐らく安心して入園できるのではないでしょうか。
満三歳児クラスに入園をお勧めしない場合
早生まれの子
入園可能な時期にもよりますが、月謝の負担が大きいですし、他の子と比べて体も小さく、成長段階でも不利な場合が多いと思います。入園しても、他の子ができて自分ができない事でお客さんになってしまい楽しめなかったり、本人が辛い場合が多いです。
例えば4月から入園可能な満三歳児クラスに、4月生まれと3月生まれが入園したら、4月生まれが3歳になるタイミングで、3月生まれは2歳1か月です。いろいろ差があって当然です。無理に入園はお勧めしません。
幼活をしていない場合
満三歳児クラスに入るのは入園です。どんな幼稚園なのかわからないようなら慌てて満三歳児クラスに入園せず、他の幼稚園も含め、複数の幼稚園の未就園児活動に親子で参加してみましょう。慌てて満三歳児クラスに入園して、年少さんからほかの幼稚園に入りなおすのはいい方法ではありません。
成長に不安を感じる場合
未就園児の段階で発達障害を疑うグレーゾーンの子は多いです。本当に発達障害なのか、ただ未熟なだけなのか判断がつかない場合が多いからです。ある幼稚園の先生から「未就園児では10人に1人はグレーゾーン」と聞いたこともあります。
自分では手に負えないからと、早く集団生活に入れよう、満三歳児クラスに入れようと考えるのはよくない結果をもたらすかもしれません。
良かれと思って入園したのに、子どもがついていけず、お客様状態になり、親が不安を感じ、先生に不信感を抱いてしまってはお互いによくありません。
本当に成長に不安を感じる場合は、まずは保健所や療育に相談しましょう。
満三歳児クラスに入園しない場合の過ごし方
2歳になると同じ年の子どもはいないのではないか??と思うくらい、同じ年に会わなくなります。保育園、満三歳児クラスに通う子が増えるためです。公園に行っても1歳代の頃のように同じ年の子には出会えません。その場合はどのように過ごせばいいでしょうか。
未就園児活動に参加する
満三歳児クラスがあっても、2歳児でも参加できる未就園児活動はありますし、満三歳児クラスをしていない幼稚園もあります。ぜひ幼稚園の未就園児活動に参加してみてはいかがでしょうか。
習い事を始める
ベビースイミングや体操など平日の午前中に2歳児を対象にやっている習い事も多いです。習い事はなぜか同じような境遇の人や同じような考え方の人が集まりやすいので、親子ともにお勧めの居場所です。
児童館に行く
児童館で行う年齢別のプログラムに参加してみてはいかがでしょうか。あれ、意外と同じ年いた!と思うかもしれません。
同じ年の子との交流を求めない
幼稚園に入ってしまったら、半日は離れ離れです。最後と思って、親子で思いっきり楽しむのも一つではないでしょうか。ちょっと遠くの公園に行く、年間パスポートを買って動物園や水族館に行くのもアリです。時間がある時しかできません。将来への投資と思って、たくさんの貴重な体験を増やしてください。
今回は満三歳児クラスに入園したほうが良いかどうか、入園しない場合にはどうしたらいいかをご紹介しました。
ぜひ参考にしてみてくださいね。